01危篤・ご臨終
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check_boxすぐに駆けつける
危篤の知らせを受けるのは、特に関係の深い間柄の人に限られています。 連絡があったら、そのままの服装で構わないので一刻も早く駆けつけるようにします。 このとき、慌てずに入院先の病院・住所などを確認するようにしましょう。 遠方から駆けつける場合は、万が一のことを考え喪服を持参しますが、この時、ご遺族の目に止まらぬよう駅のロッカーやホテルのクロークに預けたり、後から来るご家族に託す等の配慮が大切です。 -
check_box最期を看取る
あくまでも控えめな行動を。ご遺族の気持ちを考慮した対応を心がけます。 臨終後、最後のお別れの時間が終わったら、ご遺族はこれからの通夜、葬儀の準備に向けて大変慌ただしくなります。 頃合を見計らって手伝いを申し出、ご遺族を支えましょう。
02訃報・弔問
訃報を受けた際の対応は、その方の立場や故人様との関係の深さによって異なります。故人様が近親者や親しくしていた友人、近所の人などの間柄であれば、すぐに喪家に駆けつけましょう。故人様との関係性が薄い場合や遠方の場合は、葬儀の日程や会場等を聞くにとどめるのがよいでしょう。
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check_box弔問(ちょうもん)
訃報(ふほう)を受けたら、故人様との関係、立場を考えて弔問します。 故人様との対面を勧められた場合は謹んで受けるようにしますが、取り乱してしまいそうなときなどは辞退してもかまいません。 また、身内や隣人といった近しい関係であれば、手伝いを申し出ます。 すでに人手が足りているようであれば、通夜の時刻に合わせ出直すようにします。 弔問は一般的に長居はせずに、「あらためてお通夜に参ります」と出直すのがマナーです。check_boxあいさつと言葉づかい【豆知識】死や苦しみを連想させることば
「四」は「死」、「九」は「苦」に通じるため使わないようにします。
また「死亡」「死ぬ」など直接的な表現は避け、「ご逝去」「ご永眠」などと言い換えます。重ねことば
「重ね重ね」「たびたび」「つくづく」「くれぐれも」等の重ねことばや、「繰り返す」「再び」などの表現は避けます。 -
check_box故人様との対面
故人様との対面はご遺族から勧められたときだけにします。こちらからは対面を申し出ないのが礼儀です。check_box故人様との対面の仕方【豆知識】- 1.「お別れをさせていただきます」と述べ、故人様の枕もとまで進む。
- 2.両手をついて故人様に一礼する。
- 3.ご遺族により白布が外されたら、静かに覗くような姿勢で故人様の顔を拝見し対面する。
この時、自ら白布を取ってはいけません。 - 4.故人様に深く一礼。合掌し、冥福を祈ります。
- 5.最後にご遺族に一礼をして退席する。
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check_box弔問できないとき
やむを得ない事情で弔問できないときは、配偶者など代理の人に香典を託し弔問させるのが礼儀です。 それも難しい場合は取り急ぎ弔電を打ち、その後、先方の都合を確認したうえで、香典を持参し弔問します。<弔電は通夜・告別式の開始時刻までに届くよう手配する>
弔電を打って哀悼の意を伝えることもできます。 電話やインターネットから申し込むことができるので、弔問できないとわかった時点でできるだけ早く申し込みます。 宛て先は通夜や告別式の会場、喪主様あてに送るのが一般的です。 喪主様がわからない時は「故○○様ご遺族様」とします。check_box電話でのお悔やみは控えますご遺族は悲しみの中、これからの通夜や葬儀の準備に追われています。
ご遺族の状況を考慮し、電話でのお悔やみは控えるのがマナーです。
・悲しいお知らせに信じられない思いでございます。
03供花・供物を贈る
祭壇に供える品物や花を供花(きょうか)、供物(くもつ)といいます。一般的に近親者や会社関係者が贈ることが多いようです。供花は式場の外に飾る花輪と式場内に飾る生花があり、供物は、線香、ろうそく、果物などが一般的です。いずれにしても置き場所や祭壇のデザインの都合などもあるので、贈る場合は先方に確認しましょう。葬儀を担当している葬儀社に依頼すると、予算に合わせ適切なものを選んでくれ、設置の時間なども心配しなくて済みます。
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check_box供花・供物は辞退される場合も
葬儀の案内などに「ご供花、ご供物の儀はご辞退申し上げます」などとあった場合は、供花・供物は送らないようにし、香典を持参します。 また、「ご厚志ご辞退」とある場合は[供花・供物・香典]いずれも受け取らないという意味になります。 ただし、気になる場合は念のため用意していき、受付で様子を見て確かめてもよいでしょう。 -
check_box供花・供物を送った場合の香典
香典、供花、供物は贈る人の弔意によるものです。 供花や供物だけ贈っても、香典と供花・供物の両方を贈ってもかまいません。 ただし、近親者や故人様と親しい間柄にある場合は両方を贈ることが多いようです。
04香典の用意
香典は通夜か葬儀、または告別式に持参します。訃報を受けてすぐの弔問時には事前に用意していたような印象を与える為、持参しないようにします。香典は不祝儀袋におさめ、袱紗(ふくさ)に包んで持参します。ポケットやバッグから直接出すのは失礼にあたります。
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check_box新札は折り目をつける
香典に新札を包むと「この日のために用意していたようで失礼になる」という考えから新しいお札は包まないという風習がありました。 しかし、使い古したお札を包むことこそ失礼ということで、最近ではこの風習もなくなりつつあるのが現状です。 ただし、不快に感じる年配の方などもいる為、新札を包む場合は一度折り目をつけてからにする方が良いでしょう。 -
check_box不祝儀袋と表書き
香典を包む不祝儀袋と表書きは宗教形式によって異なります。 喪家の宗教・宗派を確認出来る場合はその形式に合わせた不祝儀袋を用意しましょう。radio_button_unchecked仏式
香典を包む不祝儀袋と表書きは宗教形式によって異なります。 喪家の宗教・宗派を確認出来る場合はその形式に合わせた不祝儀袋を用意しましょう。check_box表書き【豆知識】ご遺族は悲しみの中、これからの通夜や葬儀の準備に追われています。
ご遺族の状況を考慮し、電話でのお悔やみは控えるのがマナーです。radio_button_unchecked神式
「御玉串料」「御榊料」「御霊前」など銀の水引を使用することが多いようです。蓮の模様が描かれていないものを選びます。radio_button_uncheckedキリスト式
「御花料」「御榊料」「御霊前」など銀の水引を使用することが多いようです。蓮の模様が描かれていないものを選びます。
05弔辞の書き方
弔辞(ちょうじ)は、告別式のときに故人様を偲び、冥福を祈ることばです。故人様と特に親しくしていた人へご遺族からお願いするものなので、よほどのことがない限り引き受けるのが礼儀です。正式には、巻紙に毛筆を使って薄墨で文章を書き、奉書紙(ほうしょがみ)に包んで「弔辞」と表書きしますが、最近は便箋に万年筆で書いたものを白い封筒に入れたり、市販の弔辞用紙を使用する方が増えています。告別式でこれを読み上げ、祭壇にささげますが、ご遺族が長く保存することもあるので、丁寧に書くようにします。(最近では、弔辞は供えずにそのまま持ち帰ることもあります)
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check_box弔辞を書くときのポイント
- ・400字詰め原稿用紙2~3枚で3分程度にまとめる
- ・儀式的な表現は避け、自分のことばで語りかけるような文面にする
- ・公表されていること以上の死因に触れない
- ・弔辞の内容はご遺族や参列者に配慮した内容にする
06お通夜
本来、通夜は近親者をはじめ、故人様と親しかった人たちが故人様をしのび、最後の時間を共にするための儀式ですが、最近は仕事の都合などから昼間の告別式に参列できない人が出席することも多くなっています。 ご遺族への心配りを忘れずに、失礼のないようにふるまいましょう。
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check_box通夜でのふるまい
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①弔問の時間に気をつける
通夜は一般的に午後6時頃から始まります。
早く到着しすぎると、会場やご遺族の準備が整っていないこともあります。
早すぎず、遅すぎずを心がけ、読経が始まる前には到着するようにします。
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②香典を渡す
受付で香典を渡します。
香典は袱紗(ふくさ)から取り出し両手で差し出します。 受付がない場合はそのまま奥へ進み、ご遺族にお悔やみのことばを述べて香典を手渡すか、焼香のときに祭壇に供えます。
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③記帳
住所、氏名を楷書で書き、最後に一礼します。 -
④会場に入る
会場に入る時は先客に一礼します。
席次が決められていれば案内に従い着席しますが、一般の弔問者は順に着席します。
会場では携帯電話の電源を切り、静かに開式を待ちます。
知人に会ってもあいさつ程度にとどめ、私語は慎みます。 -
⑤拝礼・焼香
一般的に喪主様、ご遺族、ご親戚の後に一般弔問者の焼香となります。
自分の番になったら、ご遺族と住職に一礼して焼香します。 -
⑥通夜ぶるまい
通夜の儀式が終わると、喪家がお酒や食事で弔問者をもてなす「通夜ぶるまい」の席が設けられます。
思い出話をしながら故人様を偲び、悲しみを和らげるものですので、勧められたら短い時間でも席につき、ひと口でも箸をつけるのが礼儀です。
長居はせず、頃合をみて辞去します。 -
check_box他にも気をつけたいマナー【豆知識】
厳粛な場にいることの自覚をもちましょう。以下の行動はご遺族に対して大変配慮のないものとなりますので特に気をつけます。
- ・ご遺族に死因や亡くなったときの状況を質問する
- ・勝手にご遺体と対面する
- ・もてなしを受けた際、酔うまでお酒を飲み、騒ぐ
※地域により賑やかにお酒を酌み交わすこともあります - ・大きな声で笑ったり、楽しそうな仕草をする
- ・知り合い同士で話が盛り上がる
- ・ふさわしくない服装、化粧や小物使いに配慮がない
- ・読経中の居眠り、席を立つ
- ・通夜・葬儀中に携帯電話の音を鳴らす
- ・故人様の噂や死因についての話題をする
- ・この度はご愁傷さまでございます。
- ・ご霊前にお供えください。
07葬儀・告別式
葬儀と告別式は続けて行うことが多いので同時に進行するものと思っている方も多いのですが、本来はそれぞれ違う意味をもつ儀式となります。葬儀は故人様をこの世からあの世へと引き渡す儀式で、ご遺族、近親者、故人様と親しい関係の人が出席します。また、告別式は会葬者が故人様に別れを告げる儀式となります。
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check_box葬儀・告別式でのふるまいと式次第
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①式場内ご着席
葬儀・告別式は故人様との最後のお別れをする大切な儀式です。
遅れないように早めに到着するようにし、受付をする前にコートやマフラー、手荷物を荷物預かり所で保管してもらいます。 -
②受付
受付係に一礼し、お悔やみのことばを述べます。
まだ香典を渡していない場合は袱紗(ふくさ)から取り出し、香典を渡します。
芳名帳に住所、氏名を記入し、一礼します。 -
③会場に入る
式場の案内係に従い着席します。
会場では携帯電話の電源を切り、静かに開式を待ちます。
知人に会ってもあいさつ程度にとどめ、私語は慎みます。 -
④葬儀・告別式
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読経住職が入場し、読経が始まります。
仏式の場合は故人様を浄土に導く儀式(引導)などがあり、宗派によってさまざまな葬送儀礼が行われます。 -
弔辞・弔電弔辞は進行役より指名されたら祭壇に進み、ご遺族、故人様に一礼してから、姿勢をただし、心を込めて読んでいきます。
読み終えたら元のように包み、祭壇に供え、故人様とご遺族に一礼して戻ります。
最近では、特にご遺族の希望がなければ、読み終えた弔辞は祭壇に供えずに持ち帰ることもある様です。
葬儀前の打ち合わせで確認しましょう。
また、弔辞がないケースや、弔電の紹介がないケースもあります。 -
拝礼・焼香読経が再び始まり、住職が自ら焼香をしたら、喪主様、ご遺族、ご親族、席次の準に焼香をします。 来賓、関係者の焼香が終わったら、一般会葬者が続きます。 自分の番になったら、ご遺族と住職に一礼して焼香をします。
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住職退場読経~焼香が終わると住職の退場となります。
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喪主様挨拶
閉式喪主様か、喪主様が無理であればご遺族代表のあいさつがあり、閉式となります。 -
出棺閉式後、ご遺族による故人様との最後のお別れが行わる間、会葬者は別室または外で待機します。
棺を霊柩車に納め、喪主様のあいさつが終わると出棺となります。
出棺は出来る限り見送りましょう。
合掌や黙とう、黙礼などで心を込めて故人様を見送ります。
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08火葬
基本的に、火葬場へはご遺族と近親者、故人様とごく親しい間柄の人だけが同行します。同行を希望する場合は事前にご親族や世話役に伝えることが必要です。また、ご遺族から依頼があった場合は、出来るだけ同行するようにします。やむを得ない事情があるときはお詫びして辞去します。
09精進落とし
仏式では、火葬の後「精進落とし」が行われます。招かれたら出席しましょう。ただし、ご遺族は心身ともに疲労しています。長居はせず、早めに辞去するようにします。
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check_box他にも気をつけたいマナー【豆知識】
火葬場から戻ったら、遺骨を後飾り祭壇に安置し、住職の読経と遺族、会葬者による焼香にて遺骨を迎える儀式、「還骨法要」、続いて「初七日法要」の繰り上げ法要を行います。 -
check_box精進落とし
火葬を終え、葬儀も終盤に差し掛かると気が緩んでくる頃です。
うっかり失礼な言動を取りがちになりますので最後まで緊張感をもち、粗相のないようにします。
特にお酒が入る席では、酔っ払って騒いだり、知人同士だけで盛り上がったりしないようにします。
また、ご遺族に死因や亡くなったときの状況を質問したり、触れられたくないような話題はしないよう充分気を付けましょう。
会場を後にするまで、お別れの場であることを忘れないことが大切です。
10葬儀後
葬儀の後も、四十九日や一周忌など節目に合わせて法要が行われるのが一般的です。葬儀後の法要に招かれたときは、できるだけ出席するようにしましょう。案内状で通知が来た際は、相手側の準備の都合も考慮し、できるだけ早めに返事をするよう配慮することが大切です。
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check_box香典返しを受け取ったら
香典返しは香典に対するお礼ですので、受け取ってもお礼状は出しません。
これには不幸が二度とこないようにという意味もあるようです。
親しい間柄であったり、受け取ったことを伝えたい場合は、日にちを置いて喪中見舞いを出すと良いでしょう。
その際に「先日は丁重なご挨拶をいただきありがとうございました」と一文を添えると、相手に品物が届いたことが伝わります。 -
check_box葬儀後に不幸を知ったら
すでに葬儀が終わった後に亡くなったことを知ることもあります。
その際は、電話か手紙でお悔やみを述べ、先方の都合を聞き、出来るだけ早く香典を持参し弔問するようにします。
事情があり、すぐに行くことができない場合は、その旨を伝えてお詫びし、手紙を添えて香典を現金書留で郵送します。check_boxお悔やみの手紙を書くときのポイント- ・お悔やみの手紙は縦書きの白い便箋と封筒を使うのが基本です。
切手もお悔やみ用のものを使うとより丁寧な気持ちが伝わります。 - ・手紙を受け取る人との関係にもよりますが、親しい間柄であっても最低限の敬語は使いましょう。
- ・あまりにも具体的な思い出話を書きすぎないようにします。ご遺族の悲しみを増長させないよう心がけましょう。
- ・久しく会っていない友人関係であっても、ここでは自分の近況などは書きません。
故人様の冥福を祈ることばとご遺族をいたわることばを書くようにします。
- ・お悔やみの手紙は縦書きの白い便箋と封筒を使うのが基本です。
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check_box葬儀後の弔問
葬儀後に喪家を訪問した際は、弔問が遅れたことを手短に詫び、お悔やみを述べて香典を渡します。
中へ通されたら、後飾り祭壇、または仏壇へ礼拝します。
葬儀直後でまだご遺族が忙しそうな時は長居せず、早めに辞去します。
ただし、日にちが経っている場合はご遺族も寂しさが増しているものです。
引き止められたときなどは、故人様の思い出話などをしてお付き合いするようにしましょう。
訃報はたいてい急に訪れます。故人様と親しい間柄の場合、すぐに故人様のもとへ駆けつけることになります。突然のことであっても取り乱さず、落ち着いて適切な行動をしましょう。ご遺族は大切な家族を失い、深い悲しみの最中にあります。弔問・参列の際はご遺族の気持ちを思いやることを第一に、また、失礼やご迷惑をかけることのないよう気を配りましょう。