精進落としとは
精進落としとは、地域によっても異なりますが、葬儀が済んだ後や告別式を終えた後の火葬中に行われる会食の場です。ここでは、精進落としで気を付けたいマナーについてご紹介します。
精進落としとは、地域によっても異なりますが、葬儀が済んだ後や告別式を終えた後の火葬中に行われる会食の場です。ここでは、精進落としで気を付けたいマナーについてご紹介します。
通夜振る舞いは、地域により通夜に弔問した凡そ全員が対象となり、また地域より通夜に参列したご親族が対象となります。通夜の儀式が終了した後、時間がある限り少しでも参加をすることが基本的なマナーとされています。一般的な通夜振る舞いは参加人数が定まり難いことから、大皿に盛られた料理を取り分けて食べるスタイルが基本です。しかしながら、近年の家族、親族葬において参加人数が限られる場合にはお一人にひとつの提供の在り方も、これまでの世情の背景から広まりつつあるかたちとなります。また、地域によっては通夜の際には肉類や生ものを採らないようにする文化が残ることから、本来の精進料理で提供することもあります。これに対して精進落としは、葬儀後に親族や親しい方にお声掛けする場合や火葬場まで足を運んでくれ、お骨上げまでしてくださる方に向けて会食の機会を用意するものです。そのため、ある程度人数が絞られ、一人ひとりの席を設けて、お膳など個別の料理を用意することになります。この時、気を付けることが、家族や親族などの参列者だけでなく、主に僧侶などの司式者の分も用意するかどうか、加えて故人に対して陰膳を供えるか事前に確認することです。
精進落としでは、僧侶などの司式者が参加される場合は、喪主や故人に所縁のある関係者などより上座に案内することが基本となります。また、精進落としは、葬儀を主宰する喪主並びに遺族が、参列者へ感謝の気持ちを込めて接待する場と考えられています。よって、喪主並びに遺族は最も入口に近い末席に座ることがマナーとなります。従来あった多くを招いての法宴は見られなくなりつつある光景ですが、精進落としの場では、遺族は参列者一人ひとりの席を回り、お礼の言葉を伝え、お酒などを注いで回るのがマナーです。一方で、招かれた参列者は、遺族へお悔やみや労いの言葉を掛けることや、故人との思い出を語り伝えることがマナーとなります。ただし、お酒を飲み過ぎて酔っぱらうことや長居するのは避け、食事を済ませたら、ほどよい時間で切り上げるのが礼儀です。
僧侶などの司式者は、精進落としの席に参加していただけることもありますが、別の用件やご家族への配慮から辞退される場合もあります。その場合は、御膳料と御車代を包んでお渡しするのがマナーとなります。
精進落としに招かれたら、なるべく参加することがマナーです。遺族として、ご用意する方への配慮とおもてなしをすることを心掛けましょう。僧侶や司式者が参加されない場合は、御膳料などをお渡しするようにしましょう。