日本の葬儀では香典を用意するのが習慣です。ただし、社葬の場合は、香典を辞退するケースも珍しくありません。香典を辞退するのには、税務処理の事情があるからです。社葬では、会社側がその費用を負担します。そのため、香典という形で会社が金銭を受け取ってしまうと、会計上で面倒な税務処理が生じてしまうのです。 先方から香典辞退の案内があった場合は、社葬への参列の際に香典を用意しなくても問題はありません。社葬では、香典の代わりに供花や供物を受け付けるケースがあります。その場合には、その社葬を請け負った葬儀会社若しくは、会場へ連絡を行い、供花や供物の手配をしましょう。 原則的に、社葬の場合には告示されてから時間に猶予があるので、予定日の前日までに準備が整うように注文を完了させておくことがマナーとなります。なかには、香典、供花、供物などの一切を辞退されている場合もあり、主催者側の意向をよく確認することが大切となります。

一般的な葬儀の香典と同様に、社葬の場合も香典袋を用意するのがマナーです。仏式の葬儀の場合は、香典袋には、「御霊前」「御香料」「御香典」などと記しておきます。なお、浄土真宗の葬儀の場合には教義に習い、「御仏前」としておくことがよろしいでしょう。キリスト教の場合は「御花料」「献花料」、神道の場合は「御玉串料」「御榊料」「御神前」とするのが適切です。葬儀の形式がわからない場合は、葬儀社に問い合わせて確認しておくと良いでしょう。社葬の会場へ香典を持参する際には、ふくさや小さめの風呂敷に包んでおきます。